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ZAITEN 2012 7月号
獣医師「淘汰時代」〜好きだけでは食えない「3万人獣医師」〜

 

日本におけるペット飼育頭数は?
獣医師の数は?
獣医師国家試験合格者数は?
新卒獣医師の就業先の選択肢は?
臨床獣医師の年収は(動物病院開設者および被雇用者)?
国立獣医系大学の共同獣医学科の現状は?
悪徳動物病院のネタを1つでも言える?

 

上記に示した各項目をすべてを言えるなら、この雑誌は読まなくてもいいかもしれません。個人的には、獣医師や獣医学生には言えて欲しい項目ばかりだと思っていますが、浅く広く情報を収集している方でしたら、理解できる内容になっていると思います。また、獣医師および獣医学生以外のほとんどの方は知らない内容であると思いますが、時間がありましたらツラツラ〜とお読み頂きたいと思っております。

 

ZAITENらしい特集といえばそうですが、この記事は週刊誌レベルと言ってもいいような構成と内容であると思います。内容に関しましては、3構成となっており、それぞれ獣医師で作家の堺英一郎氏が「好きだけでは食えない 獣医師「淘汰時代」」というタイトル通りの内容を展開しており、次にジャーナリストの小島誠氏が「高い人気でも教員不足 国際基準に対応遅れる「獣医系大学の苦悩」」を書かれております。最後は、「飼い主の「無知」につけ込む 悪徳動物病院の「驚愕実態」」という記事をジャーナリストの山下浩氏が書かれています。記事を書かれた方々をどこかしらの記事で一度や二度は見たことがあるかもしれませんが、個人的にはジャーナリストの小島誠氏は以前、「歯学部ネタ」を書かれていたと思います。また「大学系のネタ」を扱うジャーナリストであることは知っていましたが。過激的な記事を書かれていたジャーナリストの山下浩氏は、「悪徳動物病院」「悪徳獣医師」「悪徳ペットショップ」などの記事を多く書かれていたジャーナリストでもあります。何度か拝見したことがありますし、ブログも読ませてもらっていた時期もありました(山下浩氏はジャーナリストをお辞めになられたそうです。ブログに書かれていました。個人的には、切り口が好きだったので残念です)。

 

獣医師・作家の堺英一郎氏が書かれた「好きだけでは食えない 獣医師「淘汰時代」」は、適切な情報収集をされていらっしゃる方ならある程度周知している内容だと思います。昨今の倒産する動物病院の実情を帝国データバンクから情報を収集してくるなど、タイトル通りの「淘汰」された動物病院の紹介をしていますが、ご自身でも言っているように、「法人格」を有する動物病院が少なすぎるため、廃業した正確な数はわからないと言っているところに共感を憶えました。また、開業資金に対する診療報酬などの費用対効果の話もあり、印象としては細かいなぁと思うような動物病院内に設置するであろう医療機器の金額が書かれていたり、雇用するしないを損益分岐点としていくらかの売上が必要など、自称経営コンサルタントみたいな内容もありました。最も共感し、最も惜しい!と思った内容は、「被雇用者の現状」でした。細かい数字は出ていませんでしたが、この現状を取り上げてくれることに対しては共感しましたし、さらにこのネタが今後盛り上がりを見せれば、タイトル通り「淘汰」される動物病院が出てくることは必至であるとも思いました。惜しい!と思ったところは、「女性獣医師」の内容。これがまた薄かった。ですので、以前僕が書いた「獣医学生に伝えたいこと【小動物獣医師】」を読んで頂ければ知識としては十分かと思います。

 

「高い人気でも教員不足 国際基準に対応遅れる「獣医系大学の苦悩」」で出てくる細かい数字は、僕らのお上である農水省HPにもありますし、自分の母校や大学の教務課や就職指導課にいけば閲覧は可能だと思います。獣医師の先生方は、日本獣医師会雑誌に掲載されているはずだと思いますので、そちらを参照してみるのも良いかもしれません。日本獣医師会に加入していない先生方は、図書館で雑誌を借りられても良いかもしれません。実際に、共同獣医学科となった鹿児島大学と山口大学の先生方や獣医学生に話を聞いたほうがこの記事よりよっぽり面白味のある内容を聞けると思いますので、僕も今週聞いてきますね。また先述した堺英一郎氏の内容でも、ジャーナリストの小島誠氏の内容でも出てきた「TPP」という文字。堺英一郎氏の場合は、動物病院以外の獣医師も食えなくなる、といった偏った表現方法をされていましたが、小島誠氏の場合、畜産業への国際化への対応は大学および大学教育の戦略的方針に関与していくだろう・求められてくるだろうなどと書かれており、これにはなるほど!と思いました。言われてみれば当たり前?なのかもしれませんし、畜産に直結した研究をされている教員や獣医学生にとっては今後の我らの命題そのもの、と背負っていらっしゃるかもしれません。ただし、現状、その活動や研究成果が一般の獣医師や、生活者にまで届かないでどうする?と僕は付け加えたいと思います。畜産は食。食は、ペットオーナーだけではなく、日本中の生活者を対象としていますから。

 

先述したように、ジャーナリストをお辞めになられた元ジャーナリストの山下浩氏が書かれた「飼い主の「無知」につけ込む 悪徳動物病院の「驚愕実態」」ですが、山下浩氏には敬意を払いたいところですが、非常にネタとしてペットオーナーが読者としても共感を得られるネタなのかな?と思いました。獣医師のモラルの低下は、堺英一郎氏も書かれていましたが(記事内容→年々競争激化で売上が低迷すれば必然的に医療の質も獣医師のモラルも低下する)、経営力とモラルはリンクしないと思いますけれど。以前のブログでも書きましたが、このような不安定な業界こそ、「経営力は医療力には比例する」と思います。確かに、獣医師は経営力を持っているとは思えませんけれど、それがモラルの低下に関係しているのかどうかは、データで正して頂きたいと思いました。山下浩氏が紹介しているような「臨床医研修は必要ナシ!即開業OKの世界」とありますが、一度も目にしたことないですそんな病院を。事例として挙げられている「悪徳ネタ」もなんと言いますか、若干古いなぁと。個人的には、なかなかの切り口を見せてくれるジャーナリストの方だったので、少し残念でした。また、日本獣医師会「小動物診療料金の実態調査結果」を細かく載せてあるのですが(診察料から手術料まで)、自由診療という建前があり、さらには立地条件、病院の規模、雇用者数、会社形態(法人・個人)、サービス数など多くのバイアスが掛かる業界を対象に調査する必要性はあるのでしょうか。例えば、犬の避妊手術。執刀医、助手、麻酔医をそれぞれ各一人ずつ獣医師が行う病院の料金と、全ての役割を一人の獣医師が行う病院の料金とでは、絶対的に違うはずです。記事には「これを参考にして」と書かれていますが、荒唐無稽な文言であると思いました。

 

「淘汰」という文字にどんな印象がありますかみなさんは。獣医師や獣医学生は、「摘発淘汰」が真っ先にくるのではないでしょうか。僕自身、結構好きな獣医系「四文字熟語」だったので、よく使っていました。アフリカで、リアルな口蹄疫や狂犬病を見たとき、「淘汰」って英語で言えなくて、電子辞書でパニクリながら調べた記憶が懐かしいです。ちなみに英語では、「selection」か「shakeout」。話を戻しますが、「淘汰」されたくないですよね本当のところは。堺英一郎氏が言うように、「淘汰はビジネスチャンス」なのかもしれません。また日本小動物獣医師会の事務局長もいろいろ言っています。僕自身、こういう時代を乗り越えるための秘策では決してありませんが、業界を面白く、そして「意識の高い獣医師や獣医学生」と「意識の高い飼い主さま」をさらにもう一歩も二歩も高く出来るようなプランは何個か在ります。「不感症では無い獣医師」の先生方、何かやりたい!やろう!と共感されましたら、お声おかけ下さいませ。以下にメッセージを付け加えさせて頂き、本ブログを締めたいと思います。最後まで長文お読み頂き、誠にありがとうございました。

 

国が世界そのものが変容する今日、獣医療が今のままであるはずがない。また、今のままであっていいはずもない。自然環境との共生が急務の現在、獣医師が出来る事・やらなければならない事はもっと多いはずだ。動物病院の伝統的なビジネスモデルも綻び始めている。勤務環境の改善も急務だ。私達は常に学ばなければならない。しかし学ぶ時間の確保が難しいのも現実だ。不感症の先生方もいるだろう。しかし私は、現状に疑問と危機感を持ち、「新しい何か」に挑みたいと思う先生方も多いと信じている。人を動かし、世の中を真に変えるのは「思想」である。まず、少数精鋭の仲間を集めたい。そこでノウハウを共有し、一騎当千の仲間を育てていくのはどうだろう。革命は少数派から生まれる。そして「新しい何か」を新しいビジネスモデル・新しい獣医療・新しい世の中をカタチ創るプラットフォームとしたいと思う。

 

【ひとりごと】上のメッセージに1つでも共感してくださるなら、その時まで待ってて下さい。

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厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の第1回会議が10月13日開催された。

委員は、日本専門医制評価・認定機構理事長の池田康夫氏、日本医師会常任理事で生涯教育担当の三上裕司氏などのほか、医師、行政、患者代表の立場など、計17人から成る(資料は厚労省のホームページに掲載)。

 

ここで何をするのか?

 

(1)求められる専門医像、(2)医師の質の一層の向上、(3)地域医療の安定的確保、(4)その他、が検討事項。

 

では何故一体、このような検討会が開かれるのか?

 

委員の一人はこう言っている。

「そもそも専門医の定義すら定まっておらず、医師と国民が考える専門医は異なる可能性もある。求められる専門医とは何かを議論し、その上で、その養成のためにはどんな制度設計が必要なのかを議論していきたい」と。

また、

外形基準を最初に作ってしまったことが混乱のもと。その後、雨後の筍のように専門医制度がたくさん出てきたまった。この見直しが必要であり、日本専門医制評価・認定機構の下できちんとした体制で進むべき」と指摘している。

 

外形基準とは、2002年4月から開始した、「広告可能な専門医資格に関する規定」だ。
会員数が1000人以上であるなど、厚労省が定める9項目を満たした団体が認定する専門医資格であれば、広告が可能になった。2011年8月現在、その数は55資格に上っている。

 

この議会をきっかけに、ある議員はこう言う。
「規制緩和の名の下、学会が認める専門医を国が広告してもいい、と通達したので、それぞれ独自の専門医制度を作り始めた。今度は基本に立ち戻って早急に制度設計する必要がある。何が医療の基盤なのか、どん な医療を提供していくのか、その制度設計の中に専門医制度がなければいけない」とコメント。

 

そもそも専門医とは何かという問題もある。厚労省が13日の資料として提出した、日本専門医制評価・認定機構の調査結果によると、一般市民がイメージする専門医は、「テレビなどで取り上げられているスーパードクター」、「重症・難病の患者を治療している医師」、「医学系学会などで認定された医師」が上位 に。一方、「診療所の医師」、「内科・外科などを問わず、様々な病気を治療できる医師」は下位だった。

 

日本専門医制評価・認定機構理事長の池田康夫氏は言う。
「学会の数ほど専門医制度があると、必ずしも満足のいく制度でないケースもある」との現状認識を示した上で、「専門医は、スーパードクターでなく、各分野 で責任を持って標準的な医療を提供できる医師。日本専門医制評価・認定機構には、76学会が加盟し、二階建ての専門医制度を定着させることが重要であるというコンセンサスが得られている」と説明、「それぞれの診療を受け持つ医師が、どんな教育を受けてスキルを獲得したのか、そのプロセスを見える形にして、 どんな形で医療の役割分担をしていくか、その枠組みをこの検討会で議論していきたい」との考えを述べた。この「専門医は、標準的な医療を提供できる医師」 という考えは、参加する委員の多くも支持した。

 

今後も注目していきたい議案であります。

 

我々がいる獣医業界においても、「専門医」または「認定医」に関して、議論する余地が多くある。上記記事をご覧になって頂ければ一目瞭然であるが、医学分野においても定義付けられていない専門医制度が、獣医学分野において定義付けられているはずはない。また、獣医業界における外形基準も同様にあるが、我々を管轄する農水省が定めている団体は一つもない。唯一広告可能なものは、「学位」のみだ。

 

もう一度、確認しておく。
医学分野において広告していいのは、厚労省が定める団体(学会)のみで、その学会が認める専門医のみだ。

 

獣医業界には、このように定めているものは、一つもない。農水省が定めている団体づくりもせずに、人数も疎らな学会が専門医および認定医を、作ってもいいのでしょうか。
普遍的に考えると、これがまかり通っているとは思えないことは、明らかである。続々と、このような学会が今作られている現状を見ると、現在医学分野において議論されている事象が、将来的に獣医業界にも起こりうる可能性は非常に高いと思われます。

 

 

松波動物病院メディカルセンター
松波登記臣 D.V.M., Ph.D

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日経BP社のECO JAPANにて、執筆しました

 

アジアで蔓延する鳥インフルエンザ、生物多様性の減少も影響

 

が掲載されました。

お時間ありましたら、是非ご覧になって頂きたいと思っております。

宜しくお願い申し上げます。

 

また、この記事の掲載につきましては、多くの方々のご教授およびご協力して頂きました。

親愛なる獣医師のみなさま、獣医学生のみなさま、CBD市民ネットワークのみなさま、

日経BP ECO JAPAN編集長および担当者さま、

そして最後に松波動物病院のスタッフのみなさま、誠に有難うございました。

 

一刻も早く、鳥インフルエンザの発生がおさまり、農家さんが安心して、

お仕事ができるようになることを、心よりお祈り致しております。

 

みなさま、鶏肉・鶏卵は、安全です。

食の安全を守る獣医師が保証致します。

 

関連記事

鳥インフルエンザ(正しい知識と適切な対応を)

「蚊」と「部族」

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昨日英国BBCのニュースで報じられていたのが、

 

New mosquito type raises concern

 

西アフリカで新しい蚊が見つかったそうです。

何が懸念されているかというと、マラリアですね。

アフリカ・サハラ砂漠以南では年間2億人の人が感染し、

数十万人の人が亡くなっている病気です。

マラリアはハマダラカという蚊が寄生虫を媒介し、人に感染させます。

 

その新種がマラリアを媒介するかは、研究段階なので不明とのこと。

ですがハマダラカの亜種(仲間)ということなので、可能性は大とのこと。

この生き物、どこで見つかったというと、人が足を踏み入れたことがない未開拓地。

でももうそこは未開拓地ではなくなりました。

今後、人の手によって開拓されるかもしれない。

都市開発??・・・わかりません。

もしそうなるとすれば、この新種の脅威に、人が晒されるかもしれません。

パスツール研究所とリバプール大学で、継続して研究されるそうですので、

今後の研究結果には注目していきたいと思います。

 

ん?この写真は??

 

アマゾンの「未知の部族」の真相が判明

 

2008年5月に写真が世界に公開されたアマゾンの「外部との接触を持たない部族」。

多くのニュース記事の推測に反して、この孤立した部族は実際には数十年の間、

遠くから観察されていたことがブラジル政府の証言で明らかになった、とのことでした。

ブラジル政府は、この部族がいる地域を保護地区としていしています。

適度な距離を保ちながら保護目的の慎重な観察を続けており、

開発業者が土地を侵害しないように毎日パトロールを実施しているそうです。

素晴らしい活動だと思います、ブラジル政府。

 

ブラジル政府は、今や、環境保護推進国の一つになりました。

ブラジルにはジャングルといわれる熱帯雨林を大量に保有しています。

 

生態系と生物多様性の経済学(TEEB)

The Economics of Ecosystems and Biodiversity


という学問があります。

その際に、価値となるのは、その国が保有している生物資源

生物資源が、その国の、経済価値となるわけです。

なのでブラジルは、TEEBで換算すると、世界一となるわけです。

 

近い将来、どの国も、そしてその国の企業は、

生物資源の確保が、経営課題になると言われています。

そうなると生物資源を大量に誇る国は、潤う可能性があります。

そのほとんどは途上国ですが、ブラジルはG20にも入る経済発展国の一つ。

一気に世界のトップを虎視眈々と狙っているのかもしれません。

 

上記記事が、直接的に、経済発展に繋がる保護活動かどうかはわかりませんが、

ブラジル政府はGoogleと協力して、衛星を駆使し、違法伐採を取り締まろうとしています。

それも生物資源を守る為にです。多くの先進国にも、見習って欲しいところです。

 

今回の記事で紹介した、新しい「蚊」と「部族」

それらは、生きものたちです。

生きものたちからの脅威、生きものたちからの恵み。

この関係は、昔から続いています。

しかし、今は、

 

生きものたちからの脅威 > 生きものたちからの恵み


の関係でしょう。

この先も、このようなニュースを見る機会が増えるかと思いますが、

良いニュースが増えること、切に願っています。

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生きものたちのことを考えよう」を公開中です。

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