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Posts Tagged ‘研究者’

いやぁ頭から煙でた!!!母校大学院のドクター論文発表会に参加してきました。さすが若手研究者の内容、非常に最新知見の集まりでタマらんでした!!!臨床系、応用系のみでしたが、どちらもお疲れ様でした。

 

先日学生はもっと卒論発表会に行きなさい的なブログを書きましたが、ドクター論文発表会も行ったほうが良いと思う。ドクター論文発表会で登壇する方達は、既に獣医師であり、一番近くにいる研究者でもあります。自分の学び舎に、そのような存在が近くにいるのは人生に付加価値が付くくらいなラッキーなことです。「僕は小動物行くから」「私は公務員にいくから」・・・そのような人生の士気の下がることを言うのはやめましょう。お金を取られるわけでも、命取られるわけでもありません。自分の学び舎の諸先輩方の雄姿は一度でも良いから目に焼き付けておくべきです。

 

あまり関係ないけど、学び舎をフラフラしていると危ないね。いろいろ共同研究の話が振って来る。ってか振って来すぎ先生たちwww

 

【ひとりごと】頭良くなった気がする

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先日参加した学会から帰ってきてから執拗なくらい勉強モードな僕です笑

 

がっつり勉強とは言っても専門書を漁ったりしているわけではなく、僕の勉強方法はとにかく文献を読むこと。その文献も探して読む場合と勝手に降ってくるものを読む場合とあります。探す場所はお決まりPubmedですが、降ってくるのはGoogleReaderで登録しているジャーナル(医学雑誌)からという調子。年々Pubmedも検索システムが高品質になってくれるせいで?、ニッチな文献が拾えてこないことも起きていますが、そこは不効率にセコセコと探す作業を繰り返しています。たまにPubmedのネットサーフィンのコツを教えて欲しいと言われますが、コツなんかなくて、必死に探すのみ!ですね。一方で、GoogleReaderは非常に効率的です。自分が好きなジャーナルで登録しているだけ必要な文献が勝手に降ってくるので、まとめ読みも出来る。もうすぐキンドルファイヤーが出ますが、Amazonと提携しているジャーナルも多いそうなので楽しみです。つまり、情報収集はオーダーメイドっていうことです。その時代に合わせたシステムと自分の嗜好性を擦り合わせれば、好きな文献が勝手にくるので、最高です。

 

 

昔研究者時代に研究者仲間にプレゼンした情報収集の資料がコレです。一般公開しているなかで、結構読まれている方だと思います。こういう情報だってオープンソースだし、非常に良い時代になったと思います。上記資料に先述した内容がチラホラ載っていますが、更新していないシステムもあります。それは時代が進めば追加されて、それを使っているわけだし、例えばFacebookでもResarchGateだって使えるものは使うようにしています。とにかく貪欲にいかなきゃ出来ることも出来なくなるし、したいことも嫌いになってしまうからね。やっぱり僕は研究が好き。毎年毎年、自分にテーマを課せて、その重圧と付き合っていきたい。今年の目標達成までもうすぐ。今は来年度の準備期間。さぁ年末まで一ヶ月ちょっと。エンジン入れなおそう!!!

 

【ひとりごと】ってかとんとん拍子にいきすぎだって

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今日、三重県から当院にお越し頂いた飼い主さんがいた。その飼い主さんは、地元や名古屋市内のいくつかの動物病院を経て、当院にお越しになった。つまりセカンドオピニオン。病名は糖尿病。僕の専門とする分野である。

 

僕の糖尿病の診察は、まずはヒアリングから始まる。このスタイルは、尊敬する門脇先生に教えてもらったスタイルである。門脇先生は、日本糖尿病学会の理事長でもあり、東京大学大学院医学研究科の教授で、世界のトップに君臨するバリバリの研究者でもあり臨床医でもある。ヒアリングする理由は、企業秘密であるが、少し前に書いたブログ「糖尿病を専門として治療し続けて思うこと」でも取り上げたが、糖尿病の治療で最も大事なのは、飼い主さんとのコミュニケーション。僕は、それを家族会議みたいなもの、と言っている。詳しくは、ブログ記事をご覧頂きたい。特に、今日みたいなケース、セカンドオピニオンのケースではコミュニケーションを通じて、関係構築が重要となってくる。さらには、僕は糖尿病の学位を取得している専門家(日本の獣医業界には専門医制度が存在しないため、このような言い回し方になってしまうのだが)なので、結果より成果が大事になってくる。糖尿病治療における成果というのは、抽象的な言い方になってしまうのだが、「僕が土足で飼い主さんの家に入り込みながら治療が出来るかどうか」を指している。ざっくばらん言えば、「何でも言える関係」と言えよう。

 

僕は、飼い主さんとのある程度のコミュニケーションと、そのワンちゃんの基礎情報を入手することで、だいたい糖尿病に罹患している身体の中身が手に取るようにわかる感覚になる。それは、僕が研究から糖尿病に向かい合ったことがあるからだと思う。基礎研究〜応用研究〜臨床研究、すべてにおいて糖尿病を網羅した。そして、今でも最新の情報は学会や学術誌から入手して、頭の中の情報を更新していることに務めている。こういう作業も、研究者だった頃からの日課だったので、今でも普通にしている。ここまで、自分の身体の一部とした糖尿病治療というものに対して、今でも思うのは、糖尿病治療は本当にオーダーメイドであるということ。現に、糖尿病治療の専門書や教科書は確立されていないのは、それだからであろう。

 

今日、飼い主さんからヒアリングした内容は、今までの治療方針などが5割。そして4割は飼い主さんが希望する治療方針について。そして残り1割が僕がしたい治療方針についてお話することにした内容である。今までの治療方針について、僕は平気で賛成反対を言及するようにしている。ちなみに、賛成するケースはほとんどない。ここまで言えるのは、ナルシストでも何でもなく、僕が糖尿病の専門家であるという確固たる自信と業績に基いている。そして、よく感じるのが、糖尿病マニアと言ってしまいたくなるような悲観的現実が、多く存在しているということ。そこで、ブログタイトルでもある「糖尿病マニアと専門家との違い」である。

 

糖尿病という病は本当に治療方針を組み立てるまでが長く、そして困難を極める場合もある。だからこそなのか、勉強好きな先生方は一度勉強するとハマりやすい傾向があると勝手に思っている。しかしながら、それは、ただのハマりであり専門家でもなんでもない、ということ。実際に、今日の飼い主さんにも教えていただいたが、前の病院では「血糖値を下げれば治る」や「これでダメなら次はこれ」のように多くのインスリン製剤を使い回しになっていたり、また専門用語を多用し治療を行っていたということ、をちらほら耳にする。それではさすがに、飼い主さんには不信感を持たせてしまい、さらに治療方針が伝わることはない。伝わらない時点で、専門家ではなくただの陶酔、つまりマニアである可能性は非常に高いと、個人的には思っている。専門家はしっかりと「わかりやすく伝える」ことができるから専門家なのでしょう。

 

今日は、そのマニアからのセカンドオピニオンであったため、慎重にお相手させて頂きましたが結局のところ、先述させて頂きましたが、「相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要だ」、としっかり飼い主さんとのコミュニケーションの間にお伝えも出来ました。それはマニアでは決してできないパフォーマンスでもあると思っています。隅の隅から糖尿病を知っていて、さらにはオーダーメイドで治療方針を組み立ててあげることができるのが、専門家であると思っています。科学者でもあり研究者でもあり臨床家でもある僕が言うのだから、間違いないと思います。

 

【ひとりごと】マニアは支離滅裂なことをいう

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君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ(中山 敬一)

 

ちょうど日経メディカルオンラインにて、中山先生がインタビューを受けていらしたので、思い出したようにこの本の書評を書いてみることに。まずは、日経メディカルオンラインのインタビューをご覧頂ければと思います。

 

臨床と研究の二兎を追うのはやめよう 研究者を志す若手医師への提言

 

インタビューでは、とにかく「研究の道に進むなら、一刻も早く始めよ」という中山先生の持論が展開されています。こう仰られるのは、医学業界への不安などがあるということが根底にあるのですが、インタビューでも触れていらっしゃったのは、若い時期に「研究」に携わっておくことで、その後の医師としての強みを発揮することができる、ということです。

 

「医学部教育は人体全体について理解を深める教育であり、それを踏まえて細胞や分子を研究することは意味のあることです。医学部を卒業し研究をすることは大きな強みを発揮します。」

 

こう仰られる意味、僕にはしっくりきます。理由は、僕が研究者だったからです(今でも研究者だと思っていますが、現場は臨床です)。確かに、獣医師として臨床で働くとき、「研究」を知っていると強みがある、と思っています。それは、正直言うと、研究者同士でしか共感出来ないことなのかもしれません。これは、臨床に出てみて最初に感じ、そして今でも感じていることですね。例えば、考え方のベースが最初から「研究」なのですね。最初から「研究」ということは、研究をしたことが無い方はまず思うことがないと思います。診断をするとき、治療をするとき、とにかくベースが「研究」。それで痛い目に遭ったことが無いというか、「危機管理」がしっかりしているからかもしれません。いくつかの選択肢、僕はそれを「仮説」と言い換えますが、その「仮説」に準じて、的確な情報収集をすることである程度、危機管理は出来てくるものだと思います。その後、実際にいくつかの仮説に準じた方法に沿って、診断や治療を行っていく。この流れの中には、経験則や感覚などは一切含まれていません。それが「研究」ベースと言っているような気もします。さらに、常に「新しいこと」に目が向くようにもなります。それだけですかね、「感覚」というのは。

 

では書評ですが、僕はこの本を読了した際に感じたのは、中山先生はどうしてこのような本を書かれたのだろうか?という疑問を抱きました。そして、考え込んだことを今でも覚えています。昔、高校の授業で、現代文の先生が、「作者の気持ちになって考えてみろ」って言ってたことを当時思い出したことも、今でも覚えていますね。働く人間として、中山先生は、「ルーチンワーカー」か「クリエーター」かどっちがいい?と問いてきます。つまり、「安定した平凡なルーチンワーカーか、リスクを背負った刺激あるクリエーターか。・・・1度きりの人生を賭けるならどっち?」と。またこの本でのルーチンワーカーの一つを臨床医と言っています。この発言に対して、ネットでも当時話題にもなったことを覚えています。またAmazonの書評でも、現役の臨床医が、「臨床医への冒涜だ」とも。僕的に言わせてもらうと、冒涜ではなく「警笛」だと思いますね。非常に浅はかと言うのか、定性的と言うのか、少し専門職からこのような発言が出るのは残念でした。

 

そもそも、僕がこの本を読了した際に感じたのは、中山先生の職歴に関係しているのでは?ということ。中山先生は、34歳の若さで旧帝大の教授に抜擢された一流科学者である。その一流になるために、中山先生がやってこられた仕事とその中身、これこそルーチンワーカーでは成し遂げられず、「クリエーター」だからこそできたこと、いや「クリエーターになった」からできたこと、なのではないだろうか。中山先生の一流たるその裏には、「志」「目標」「戦略」が気高く、かつ緻密に準備されていたのだと思う。中山先生が医師であり研究者であったため、医療系従事者向け、かつタイトルからも医学生向けと思われた感があるので、上記でも紹介したように「臨床医」からも残念な発言が出たのであろうと思う。

 

確かに、研究者は「クリエーター」だ。でも誰もが「クリエーター」になれるチャンスはあって、医療系従事者にとって「クリエーター」になれる最初のチャンスは学部卒後にあるということ。これは獣医系も同じ。そして、若い時期に「クリエーター」になることは、「志」「目標」「戦略」が早く身につくことは間違いない。「研究」は、いやでもそれらを叩き込まなければ出来ない職業。クリエイター(研究者)には、常に新しいものが求められ、かつなかなか人に認められない、そして、成功したらすぐ真似されるリスクがある。それで、身体も精神も傷めつけられます。それでも、また次を出していないと生きていけません。それでも、達成したときの喜びはこのリスクだけ、大きくある。この鍛錬を「研究」で養えることは間違いありません。僕自身がその証人でもあります。

 

【ひとりごと】やる気でた

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昨日のブログを読んだ後輩から以下のメールが届きました。

 

テンション低いとはどうしたんですか????皆さんは「そんなときもある」とおっしゃってますが、後輩として生意気ながらあえて逆のこと言いますよ!9月にはときおさんが以前からやりたかったことが一つの大きな「形」になるんですから、気合入れないと。臨床系の先生方にも研究は現場でも出来るんだぞ!とみんなにアピールすることは大きな使命だと思いますよ!頑張って下さい。

 

正直言うと、研究のことでテンションが下がっていなかったわけなので驚きましたが素直に嬉しかった。彼は大学院時代の後輩で今はD4なのでもうすぐ卒業です。獣医学博士になる人間でもあり、僕よりも世界視野を持っていて、野望も大きく、器もデカイ人間です。僕は彼に敵わないとも思ったことがあります。そんな彼からの励ましの言葉は、すごく嬉しくなりました。以下に、僕の返信メールも載せておきます。

 

うるせー!うるせー!うるせー!ありがとよ。

 

www。彼は僕が今手を動かしていることが非常に気になっているみたいなので、あえてここで言いますけど「なめんなよ」です。すごく自分の分野のことで恐縮ですが、僕は研究者です。町医者(動物病院)に在籍しながらも、研究をしている獣医師であり獣医学博士です。獣医学博士という名に恥じぬよう、世界で戦っていたあの頃の自分に負けぬよう、今必死にもがいています。当時は、町医者にいることは研究が大好きな自分にとってかなりデメリットだ、とまで言っていましたが今は違います。逆にアドバンテージだと思うようになれました。後輩が言ってくれているように、臨床にいながらでも研究は出来るんだ、ということです。というよりも、バリバリ研究やってきた人間としては、どこにいようが研究は出来る、ということです。中途半端に社会人で研究をやってきた人間ではありませんし、おっさんの道楽で博士号を何十年も掛けて取ったわけでもありません。博士課程に在籍し、研究をしながら論文をたくさん執筆し、そして学会にもバシバシ出ていた人間です僕は。こんなことを言う僕も、クソ生意気な後輩なのですがね。

 

というタイミングで、発表予定の学会のパンフに僕の発表タイトルが載っていました。なんというタイミング。少し震えました。

 

【ひとりごと】さぁエンジン入れなおそうっと

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先ほど、本日最後の血糖値測定をし、たった今帰宅しました。

 

数日前から、糖尿病発症をしたニャンコをお預かりをして、治療を開始しております。単純に治療をすれば良いというものではなく、状態によりけりですが治療の先のことも考えていかなければなりません。なぜなら、ずっと病院にいるわけにもいかないので、お家で血糖値のコントロールが出来るようになるためにも、入院中のニャンコの血糖値のコントロールはものすごく重要なのです。

 

今回のニャンコにだけ限った話ではありませんが、動物の世界でも糖尿病は存在します。そのなかでも、ニャンコの糖尿病は、ものすごく難しいのです。理由は少し専門的になるので、さぁ〜と流して頂ければいいのですが、脱水があるのか?ないのか?体重は減ってきているのか?維持なのか?食欲があるのか?ないのか?体内の脂肪は肝臓にいってしまっているのか?いっていないのか?黄疸はあるのか?ないのか?電解質は大丈夫なのか?大丈夫じゃないのか?リンは?カリウムは?カルシウムは?インスリンの量は合っているのか?違うのか?・・・・・・・・・などなど・・・・・・・・・挙げだしたらキリがありません。また簡単に言ってしまえば、ニャンコの糖尿病は、ヒトの糖尿病に似ています。つまり、生活習慣から発症するケースが圧倒的に多いと言っておきましょうか、確率的にはそう言われております(Evidenceあります)。

 

以前、ここで書いたブログ「糖尿病を専門として治療し続けて思うこと」でも述べましたが、糖尿病治療というものは、「家族会議みたいなもんだということ」です。こう言う理由ですが、基本的に僕ら獣医師は糖尿病の治療はしません。治療は基本、お家で行うものです(インスリンを注射するという意味で)。ですので、適切な治療方針を立てて、飼い主さんに教授していかなければいけないということなのです。繰り返しになりますが、特にニャンコの場合、生活習慣が関係してくる場合が多いので、前のブログでも「相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要」と表現させて頂いたわけですね。

 

先述しましたが、ニャンコの糖尿病は、様々な要因が関係してきて発症したり、血糖値のコントロールを不良にさせたりします。ですので、こればっかりは経験も大事ですが、知識がモノをいいます。詳しく言えば、基本中の基本を知っておかなければ痛い目に遭う場合もあるのですよね。あとは、コミュニケーション能力です。これは飼い主さんをお相手する場合に発揮されますが、繰り返しになるのですが、基本、治療はお家で行っていきますので、わかりやすく説明しなければいけません。

 

糖尿病の治療は、ニャンコでもワンコでも、ほぼ全員がオーダーメイドの治療方針になります。ですので、商業誌に書かれているような非常に定性的な情報を鵜呑みにすると危ないといいいますが、痛い目に遭うのです。こんだけいろいろ垂れている糖尿病研究者の僕ですが、未だに分からないこともたくさんあります。変な話、新規の糖尿病のニャンコに出会う度に、それを思い、痛感するのです。またプライドもあります。なので、さらに勉強するのですよね。本当に、鍛えられますよ。頑張らなくては。

 

【ひとりごと】今回のニャンコは治せるので治します。

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今日は珍しく獣医医療について。

 

僕の専門は糖尿病である。もっと詳しく言うと、糖尿病病態メカニズムの解明であって、もっと詳しく言うと、そのメカニズムに関連する活性酸素種によるアポトーシスの影響ってのが専門だ。専門というものはそういうものだ。これを理解できる人間は、本当にサイエンスを知っている方だけだろうけど。

 

糖尿病の基礎応用臨床研究を数年し続けて思うのは、基礎は個人プレーで、応用はキャッチボールで、臨床は家族会議みたいなもんだということ。「???」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそれ以外にあてはまる言葉は正直言って見つかりませんので、ご了承くださいませ。

 

糖尿病という病気は、誰も知ってるメジャーな病気の一つ。医療関係者以外の方にとっては、「血糖値が上がっちゃう」というざっくばらんな感じで通っているかと思う。もしかしたら、医療関係者のなかにもそう思っている方もいるかもしれないが、そう単純な病気ではない、ということをここで言わせて頂きたい。どこから話せば良いのかわからなくなるくらい広くそして深い病気であり、治療する側もされる側も精神がすり減るくらいのストレスフルな病気でもある。

 

この治療をしている方も治療をされている先生も、依存してやまないもの・・・それはインスリン。インスリンというものは、膵臓から分泌されるとあるホルモンを指す。インスリンは、血糖値を下げる、という効果をもっているため、生きていくのに絶対的に必要なホルモンです。ではこれはどうでしょう?インスリンが直接血糖値を下げると認識されている方も多いですが、それは間違いです。インスリンは血糖値を下げる手伝いをするだけで、血糖値は下がるのではなく、いろいろな臓器で取り込まれて下がる、という表現が正解でしょう。メインとなるのが骨格筋、そして肝臓、脂肪組織。インスリンが、これら臓器に作用し、この臓器らが血中の血糖値を取り込んで下げてくれているのです。

 

糖尿病にはいろいろなタイプがあります。動物でも同様にです。1型とか2型とかですが、それぞれの説明は割愛しますが、やっかいなのが2型といわれるものです。なぜ厄介かといいますと、一言でいうと、読めない、からですね。この表現も糖尿病を治療する者として独特な言い回しなのかもしれませんが、この病気にはかなりの読みが必要なのです。経験に基づく読みが、いとも簡単に外れてしまう。まぁ外れるのにはワケがあるのですが、それは後述します。厄介だという理由の一つに、生活習慣が大きく関与していることが大きいのです、この病気。俗にいう生活習慣病、メタボですね。メタボというと、お腹が出ているオッサンをイメージしますが、これまた全く意味合いが違います。メタボの総称、メタボリックシンドロームは、生活習慣を介して罹患する病気の集合体を指します。例えば、肥満も脂肪肝もその仲間です。もちろん糖尿病もそうなのですが。先述した2型糖尿病は、メタボに分類される肥満や脂肪肝を経由してなる病気で、いきなり糖尿病になることはほとんどありません。そういった意味でも厄介なのですね。専門的な言葉でいうと、2型糖尿病の前駆病態には基礎疾患として肥満症や脂肪肝などが挙げられ、血糖値をコントロールするためには基礎疾患の治療も同様に取り組まなければいけない、といったところでしょうか。

 

まとめますと、厄介な2型糖尿病というものは、血糖値をコントロールするだけではなく、根本的に発症している基礎疾患も治療しなければなりません。その治療を怠ると、または読みが外れると痛い目にあうのです。動物では、犬よりも猫で遭遇する場合がほとんどで、猫の糖尿病治療の場合は、人と同様にストレスフルなスケジュールで取り組まなければいけません(最近は、犬でも生活習慣の変化で2型に近い糖尿病もあることが明らかになってきています)。少し前に示したように、治療に不可欠なインスリンが作用する臓器は、骨格筋、肝臓、そして脂肪組織です。ですので、メタボに陥っている猫などは、分かりやすく言えば、肥満で筋肉ダラダラで肝臓にも脂肪が乗っかっているわけなので、インスリンが作用する暇さえ見つけてくれない場合が多いので、肥満や脂肪肝を放ったらかしにすると血糖値はバンバン上がっていってしまいます(余談ですが、犬の場合も近年その病態が指摘されており、猫のように全てがパァになるわけではないのですが、インスリンが反応出来る臓器が中途半端なため、頑張って膵臓からインスリンが多めに分泌されている状態=インスリン抵抗性が、低血糖という病態を介して確認されてきています)。

 

治療に関してはここまでです。あとは勉強してください笑。とにかく糖尿病治療はストレスフルな作業です。それは治療する側もされる側もです。また時間も掛かりますし、お金も掛かります。なので、患者さんとのコミュニケーションは絶対的に大事なのですね。多くの糖尿病の犬や猫を診てきた僕は、いつの間にか、治療している犬や猫の飼い主の家族の一員みたいな状態になっていることもあります笑。ですがこれは本当です。治療方針を話す際は、正しく家族会議。これも繰り返しになりますが、上手に血糖値をコントロールするためには、糖尿病だけに着目していたら痛い目にあいます。ですので、その子が罹っている他の病気、例えば肥満症や脂肪肝という生活習慣病の改善にもメスを入れなければなりません。つまりご家族への教育と啓発ですね。その為には、普通の診察ではなかなか言えないようなことを、なかなか出来ないようなテンションで言わざる得ないことも多々あります。客観的にみたら、大丈夫か?と言う同業者もいます。ですが、相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要なのですよ。それが出来ないのなら、この病気には手を出すなと、僕は専門家の立場から言いますね。

 

糖尿病の基礎応用臨床研究を数年し続けて思うのは、基礎は個人プレーで、応用はキャッチボールで、臨床は家族会議みたいなもんだということ。

 

松波動物病院メディカルセンター
松波登記臣 DVM., Ph.D

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