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Posts Tagged ‘インスリン’

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クリニックノート8月号の“Close Up”というコーナーで、猫のインスリンプロトコールについて、記事書かせて頂きました。久しぶりに気合入れて書いたので、良かったら獣医系医療従事者のみなさまは一読して頂ければ嬉しいですΣd(゚∀゚d)イカス!

 

ここで紹介した猫のインスリンプロトコールは、世界で一番分かりやすいと思います。さらにアップデートされているので、臨床の先生方にはぜひ参考にして頂けたら嬉しいです。さらに、これまで多くの糖尿病の猫ちゃんを診させて頂きました。今も数えるだけでも2桁は診させて頂いています。こんなまだまだ経験値も少なく若輩な僕に、多くの相談をしてくださる諸先輩の先生方もいらっしゃいます。本当にみなさんのおかげで鍛えられていると感じています。ありがとうございます。前のブログでも紹介しましたが、糖尿病の治療こそ、オーダーメイドであると思っています。これからも、一生懸命、治療させて頂きますので、よろしくお願いします。

 

インターズーの編集さんにはお世話になりっぱなしです。いつもありがとうございます。またがんばります!!!

 

【ひとりごと】9月号にも連載します

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ブログでたま〜に書く糖尿病ネタ。結構PV数があって、「記事読みました!」など同業の方からもFacebookなどを通じて、ご連絡を頂いたりしています(Facebookは誰からもメッセージ受けれるようにしています)。でもめちゃめちゃ困ることが一つだけあります。

 

「良い参考書(専門書)ないですか?」

 

これです。毎回ハッキリお答えしていますが、特に動物の糖尿病については「No」です。参考書(専門書)あったら、まず僕買いますわ。内分泌疾患としての代表格とも言える糖尿病ですが、専門書に書かれているメインは「概要」とか「緊急性のFAQ」とかです。たまにご親切に「インスリン導入(投与)について」など。ちなみに、この「インスリン導入(投与)について」は、全く参考にはなりません。つまりですね、これは何度もブログでも触れていますが、糖尿病治療は基本「オーダーメイド」なんです。理由は、いちいち書きませんが、動物は1種類じゃないし、だいたい糖尿病になる動物は何かしらの基礎疾患を持っている場合もある(Evidenceあり)。さらには、年齢とか性別とかでもそうですけど、治療に一番大事なインスリンが種類が豊富で、どのインスリンが合う合わないってのも重要。ここまで読んでみて、「えっ?」って思う方は、向いてないというか手を出さないほうが良いと思います。今じゃこのくらい(インスリンの種類が豊富ということ)のことは、飼い主さんもだいたい調べてきてるから知ってることだし。何せ、この糖尿病治療で最も、最上級で必要なのは「コミュニケーション能力」。どれだけ相手の家に土足で入り込めれるか?ってことに掛かってきます。

 

まずは動物病院で血糖値を安定させるまでのやり取り(時間と費用の話や基礎疾患のフォローなど)、そして安定してからの家での食事の種類から指導方法、食事後のインスリン投与の時間のタイミングに、血糖値チェックのための通院頻度に、さらにそこに掛かる費用や時間などの労力。それらを、すべてバックアップしてあげれるコミュニケーション能力、つまり人間関係構築能力が、我々専門家と飼い主さんと糖尿病を罹患している動物たちとの関係性を、治療においては治療方針を運命づけることとなります。これらにさらに磨きを掛けるのなら、最新の知見を英文学術論文で読みあさるなど、やることが山ほどあるのです。これら一連の作業に、どれだけ真摯に取り組めれるか?、がここに掛かってくると思います。

 

現在僕は、多くの糖尿病患者を抱えていますが全てのご家族の方と濃密なコミュニケーションをさせて頂いており、相手の生活家庭環境を診察室でさらけ出してもらいながら、そしてその生活家庭環境を真っ向から否定したり肯定したりしています。もちろん結果にはこだわっており、ほとんどの子たちが糖尿病を安定しながら治療に専念出来ているかと思われます。そして所属する各学会から届くダイレクトメールにも目を通し、気になる文献も読みあさり、常に頭のなかをフレッシュな状態にキープしています。これは、専門家でもあるというプライドと同時に、飼い主さんに適切な治療法を提供したいがために自分でこだわり続けてやっていけている大事な必須事項であります。ですので、これができなければ、最高なパフォーマンスも提供できずに、飼い主さんに迷惑を掛けてしまうと思うのです。

 

以上のような理由からも、専門書が存在しないという点はご理解して頂けたのだと思っています。またこの治療法にはコツは存在しませんということもご理解して頂けたのではないでしょうか。その理由は、繰り返しになるかと思われますが、糖尿病の治療法はすべてが「オーダーメイド」であるからなのです。

 

【ひとりごと】眠いなぁ

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米国糖尿病学会が行わたというニュースレターを受け取り、またまたため息をついてしまいました。先日行われた日本糖尿病学会でも注目を浴びた新しいインスリン製剤である「デグルデク」の大規模調査がアメリカでも行われたというデータを見てみた。

 

インスリンデグルデクはインスリングラルギンより低血糖リスクが低い

1型糖尿病を対象としたものが2試験、2型糖尿病を対象としたものが5試験で、試験期間は26週間あるいは52週間。本メタ解析の対象となった患者はデグルデク群が2899例、グラルギン群が1431例で、そのうち1型糖尿病患者はデグルデク群637例、グラルギン群 321例、2型糖尿病患者はそれぞれ2262例、1110例。さらに、2型糖尿病患者のうちインスリン治療を受けたことがない患者はそれぞれ1290例、 632例。インスリン治療を受けたことがない2型糖尿病患者における発現頻度については、確定低血糖がデグルデク群はグラルギン群より17%有意に低かった。同様に、夜間確定低血糖は36%、重度の低血糖は86%それぞれ有意に低かった。すべての2型糖尿病患者で発現頻度を見ると、デグルデク群の方が確定低血糖は17%、夜間確定低血糖は32%それぞれ有意に低かったが、重度の低血糖は有意差がなかった。維持期間においては、確定低血糖は25%、夜間確定低血糖は38%とより発現率が下がり、いずれも有意な差があった。1型と2型の糖尿病患者を合わせた本メタ解析の全患者における発現率を見ると、確定低血糖は9%、夜間確定低血糖は26%、いずれもデグルデク群で有意に低下していたが、重度の低血糖は有意差がなかった。

 

デグルデク発売、待ち遠しいです。獣医学領域でも使用出来れば、かなりオーナーさんの負担も減るると思います。どこかの大学で大規模調査の指揮をとってくれないかな。

 

また、こんなのもありました。

肝硬変合併の糖尿病患者における血糖コントロールはリラグルチドが優れる

インスリン療法を行った肝硬変合併糖尿病患者7例に対して、リラグルチド(0.6mg、1日1回投与)とエキセナチド(5μg、 1日2回投与)をそれぞれ2日間ずつクロスオーバーにて投与し、CGMによる血糖測定を行った。血糖の変動パターンを見ると、リラグルチドの場合はインスリン治療で得られる血糖パターンと類似しており、朝食後に高めのピーク、日中および夕方にやや小さいピークが認められた。一方、エキセナチドの場合は昼食後と深夜帯に大きなピークを有するパターンを示した。血糖値の曲線下面積(AUC)を算出すると、全日(24時間)はリラグルチドが4176.7±1146.8mg/dL*hr、エキセナチドが4652.9±1621.6mg/dL*hrと、リラグルチドの方が有意に低かった(P<0.05)。肝硬変合併糖尿病患者において、ヒトGLP-1アナログ製剤のリラグルチドはエキセナチドに比べ、より良好な血糖コントロールをもたらすことが分かった。

 

リラグルチドを肝硬変併発の糖尿病にかぁ・・・発想は無かった。反省。猛勉強しなくては。猫の肝障害併発からの糖尿病の血糖コントロールに、もしかしたら効果的なのかもしれませんね。ただしインスリン抵抗性からインスリンが枯渇する病態スピードが早いのが猫の特徴でもあるので、かなり意識して診断しなければ難しい臨床研究になりそう。

 

【ひとりごと】今年度発表する学会は3つ

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今日は獣医師会の会合に出席していました。個人的には非常に勉強になったと思っています。その獣医師会に向かう直前、つまり病院を出る直前にとある患者さんからお電話頂きました。その患者さんは、糖尿病のニャンコを飼われている方で、うちの患者さんでもあるのですが、基本僕は診ていません。この話を進めていく前に、今僕が診ている糖尿病の動物はワンコ1頭にニャンコ1頭のみです。当院が診ている全体数のうちのごく僅かでしかないのです。ただ、他の先生が担当しているワンコやニャンコの治療方針にアドヴァイスはします。ですが基本は、担当の先生が診てくれています。ですが、血糖値のコントロール操作は、僕が群を抜いて断トツに上手いということは言及しておきます。専門家ですからね。

 

話を戻しましょう。外出する直前に掛かってきた電話に出ると、いきなり「先生、明日いる?」でした。僕は「はい、いますよ。」と応えると、その患者さんは「先生、診てくれない?お願い。」と。僕は「はい、かしこまりました。お待ちしています。」と。患者さんは「明日ご飯食べてからでいい?」と。僕は「はい、構いません。ですが・・・」と言い掛けたとき、患者さんが「了解してます。インスリンは打たずに行きます。」と仰られました。僕は「(少し照れながら)は、はい、よくご存知で。」と。患者さんは「だって前に先生に言われましたもん。コントロールするときは、そうしろって。」と。僕は「そうでしたっけ?先に言われちゃいましたけど。」と。患者さんは「言いましたって。食後高血糖を診たいからってね。」と。僕は「はい、その通りです。」と応えると、患者さんは「じゃあまた頼みますよ!」と言ってくれました。

 

上記で展開した会話を読むだけでは、僕と患者さんが交わしている内容は伝わらないかもしれません。さらに獣医師でも伝わらないかもしれません。ですが、この会話にはものすごい大事なことがたくさんあります。それは、一度しか関わったことがない患者さんが、僕が言ったことを覚えていてくれてた、ということです。これは正直、たまらん!です。そもそも僕は糖尿病の動物を飼われている患者さんと初めてお会いしたときに言うことことがあります。これは絶対言っています。

 

「僕といっぱいコミュニケーションしましょう!!」

 

以前書いたブログ「糖尿病を専門として治療し続けて思うこと」でも紹介しましたが、糖尿病治療っていうのは「家族会議」みたいなニュアンスを持ち併せています。また、「相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要」と言いました。ですので、僕が一番大事にしているのは、「コミュニケーション」です。糖尿病の治療には、時間も掛かりますし、同時にお金も掛かります。そして僕は言いたいのは、専門家である我々が、時間が掛かることとお金が掛かることを気にしてはいけない、ということ。時間とお金、これを気にしだすと、人間は表情に絶対的に出ます。それが、飼い主さんに伝わることだけはしていけないと、僕は思います。それら難問をカバーしていけるのが、「飼い主さんとのコミュニケーション」なんだろうと、経験上、よく思うのです。「気にしない」と言ってしまうのは印象が悪くなるので、あえてフォローしますが、動物病院の経営的な諸諸問題にも関わることですから、獣医師と動物病院側との交渉調整など、ビジネスライクな観点も獣医師には必要な要素になってくるかと思われます。また治療に際しての予算もあるかと思います。その予算内でバシっと決めれるようにするのもやはり「コミュニケーション」がモノをいうと思うのです。

 

【ひとりごと】このひとりごとを気にしてみてくれるひとがいるらしい

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先ほど、本日最後の血糖値測定をし、たった今帰宅しました。

 

数日前から、糖尿病発症をしたニャンコをお預かりをして、治療を開始しております。単純に治療をすれば良いというものではなく、状態によりけりですが治療の先のことも考えていかなければなりません。なぜなら、ずっと病院にいるわけにもいかないので、お家で血糖値のコントロールが出来るようになるためにも、入院中のニャンコの血糖値のコントロールはものすごく重要なのです。

 

今回のニャンコにだけ限った話ではありませんが、動物の世界でも糖尿病は存在します。そのなかでも、ニャンコの糖尿病は、ものすごく難しいのです。理由は少し専門的になるので、さぁ〜と流して頂ければいいのですが、脱水があるのか?ないのか?体重は減ってきているのか?維持なのか?食欲があるのか?ないのか?体内の脂肪は肝臓にいってしまっているのか?いっていないのか?黄疸はあるのか?ないのか?電解質は大丈夫なのか?大丈夫じゃないのか?リンは?カリウムは?カルシウムは?インスリンの量は合っているのか?違うのか?・・・・・・・・・などなど・・・・・・・・・挙げだしたらキリがありません。また簡単に言ってしまえば、ニャンコの糖尿病は、ヒトの糖尿病に似ています。つまり、生活習慣から発症するケースが圧倒的に多いと言っておきましょうか、確率的にはそう言われております(Evidenceあります)。

 

以前、ここで書いたブログ「糖尿病を専門として治療し続けて思うこと」でも述べましたが、糖尿病治療というものは、「家族会議みたいなもんだということ」です。こう言う理由ですが、基本的に僕ら獣医師は糖尿病の治療はしません。治療は基本、お家で行うものです(インスリンを注射するという意味で)。ですので、適切な治療方針を立てて、飼い主さんに教授していかなければいけないということなのです。繰り返しになりますが、特にニャンコの場合、生活習慣が関係してくる場合が多いので、前のブログでも「相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要」と表現させて頂いたわけですね。

 

先述しましたが、ニャンコの糖尿病は、様々な要因が関係してきて発症したり、血糖値のコントロールを不良にさせたりします。ですので、こればっかりは経験も大事ですが、知識がモノをいいます。詳しく言えば、基本中の基本を知っておかなければ痛い目に遭う場合もあるのですよね。あとは、コミュニケーション能力です。これは飼い主さんをお相手する場合に発揮されますが、繰り返しになるのですが、基本、治療はお家で行っていきますので、わかりやすく説明しなければいけません。

 

糖尿病の治療は、ニャンコでもワンコでも、ほぼ全員がオーダーメイドの治療方針になります。ですので、商業誌に書かれているような非常に定性的な情報を鵜呑みにすると危ないといいいますが、痛い目に遭うのです。こんだけいろいろ垂れている糖尿病研究者の僕ですが、未だに分からないこともたくさんあります。変な話、新規の糖尿病のニャンコに出会う度に、それを思い、痛感するのです。またプライドもあります。なので、さらに勉強するのですよね。本当に、鍛えられますよ。頑張らなくては。

 

【ひとりごと】今回のニャンコは治せるので治します。

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今日は珍しく獣医医療について。

 

僕の専門は糖尿病である。もっと詳しく言うと、糖尿病病態メカニズムの解明であって、もっと詳しく言うと、そのメカニズムに関連する活性酸素種によるアポトーシスの影響ってのが専門だ。専門というものはそういうものだ。これを理解できる人間は、本当にサイエンスを知っている方だけだろうけど。

 

糖尿病の基礎応用臨床研究を数年し続けて思うのは、基礎は個人プレーで、応用はキャッチボールで、臨床は家族会議みたいなもんだということ。「???」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそれ以外にあてはまる言葉は正直言って見つかりませんので、ご了承くださいませ。

 

糖尿病という病気は、誰も知ってるメジャーな病気の一つ。医療関係者以外の方にとっては、「血糖値が上がっちゃう」というざっくばらんな感じで通っているかと思う。もしかしたら、医療関係者のなかにもそう思っている方もいるかもしれないが、そう単純な病気ではない、ということをここで言わせて頂きたい。どこから話せば良いのかわからなくなるくらい広くそして深い病気であり、治療する側もされる側も精神がすり減るくらいのストレスフルな病気でもある。

 

この治療をしている方も治療をされている先生も、依存してやまないもの・・・それはインスリン。インスリンというものは、膵臓から分泌されるとあるホルモンを指す。インスリンは、血糖値を下げる、という効果をもっているため、生きていくのに絶対的に必要なホルモンです。ではこれはどうでしょう?インスリンが直接血糖値を下げると認識されている方も多いですが、それは間違いです。インスリンは血糖値を下げる手伝いをするだけで、血糖値は下がるのではなく、いろいろな臓器で取り込まれて下がる、という表現が正解でしょう。メインとなるのが骨格筋、そして肝臓、脂肪組織。インスリンが、これら臓器に作用し、この臓器らが血中の血糖値を取り込んで下げてくれているのです。

 

糖尿病にはいろいろなタイプがあります。動物でも同様にです。1型とか2型とかですが、それぞれの説明は割愛しますが、やっかいなのが2型といわれるものです。なぜ厄介かといいますと、一言でいうと、読めない、からですね。この表現も糖尿病を治療する者として独特な言い回しなのかもしれませんが、この病気にはかなりの読みが必要なのです。経験に基づく読みが、いとも簡単に外れてしまう。まぁ外れるのにはワケがあるのですが、それは後述します。厄介だという理由の一つに、生活習慣が大きく関与していることが大きいのです、この病気。俗にいう生活習慣病、メタボですね。メタボというと、お腹が出ているオッサンをイメージしますが、これまた全く意味合いが違います。メタボの総称、メタボリックシンドロームは、生活習慣を介して罹患する病気の集合体を指します。例えば、肥満も脂肪肝もその仲間です。もちろん糖尿病もそうなのですが。先述した2型糖尿病は、メタボに分類される肥満や脂肪肝を経由してなる病気で、いきなり糖尿病になることはほとんどありません。そういった意味でも厄介なのですね。専門的な言葉でいうと、2型糖尿病の前駆病態には基礎疾患として肥満症や脂肪肝などが挙げられ、血糖値をコントロールするためには基礎疾患の治療も同様に取り組まなければいけない、といったところでしょうか。

 

まとめますと、厄介な2型糖尿病というものは、血糖値をコントロールするだけではなく、根本的に発症している基礎疾患も治療しなければなりません。その治療を怠ると、または読みが外れると痛い目にあうのです。動物では、犬よりも猫で遭遇する場合がほとんどで、猫の糖尿病治療の場合は、人と同様にストレスフルなスケジュールで取り組まなければいけません(最近は、犬でも生活習慣の変化で2型に近い糖尿病もあることが明らかになってきています)。少し前に示したように、治療に不可欠なインスリンが作用する臓器は、骨格筋、肝臓、そして脂肪組織です。ですので、メタボに陥っている猫などは、分かりやすく言えば、肥満で筋肉ダラダラで肝臓にも脂肪が乗っかっているわけなので、インスリンが作用する暇さえ見つけてくれない場合が多いので、肥満や脂肪肝を放ったらかしにすると血糖値はバンバン上がっていってしまいます(余談ですが、犬の場合も近年その病態が指摘されており、猫のように全てがパァになるわけではないのですが、インスリンが反応出来る臓器が中途半端なため、頑張って膵臓からインスリンが多めに分泌されている状態=インスリン抵抗性が、低血糖という病態を介して確認されてきています)。

 

治療に関してはここまでです。あとは勉強してください笑。とにかく糖尿病治療はストレスフルな作業です。それは治療する側もされる側もです。また時間も掛かりますし、お金も掛かります。なので、患者さんとのコミュニケーションは絶対的に大事なのですね。多くの糖尿病の犬や猫を診てきた僕は、いつの間にか、治療している犬や猫の飼い主の家族の一員みたいな状態になっていることもあります笑。ですがこれは本当です。治療方針を話す際は、正しく家族会議。これも繰り返しになりますが、上手に血糖値をコントロールするためには、糖尿病だけに着目していたら痛い目にあいます。ですので、その子が罹っている他の病気、例えば肥満症や脂肪肝という生活習慣病の改善にもメスを入れなければなりません。つまりご家族への教育と啓発ですね。その為には、普通の診察ではなかなか言えないようなことを、なかなか出来ないようなテンションで言わざる得ないことも多々あります。客観的にみたら、大丈夫か?と言う同業者もいます。ですが、相手の家庭に土足で入っていくようなきめの細かいやり取りも、糖尿病治療には必要なのですよ。それが出来ないのなら、この病気には手を出すなと、僕は専門家の立場から言いますね。

 

糖尿病の基礎応用臨床研究を数年し続けて思うのは、基礎は個人プレーで、応用はキャッチボールで、臨床は家族会議みたいなもんだということ。

 

松波動物病院メディカルセンター
松波登記臣 DVM., Ph.D

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新しいインスリン製剤である超持効型のデグルデクの最新情報が、
欧州糖尿病学会(EASD2011)で発表されました。

 

知り合いの医師から、抄録の一部を送っていただき、テンション上がっております。
英国Hull York Medical SchoolのS.L. Atkin氏ら研究は、今後の糖尿病治療において、
かなり革新的な研究内容になっておりました。

 

超持効型のデグルデクは、1日1回投与時刻が異なる場合でも、
同一時刻のグラルギン投与と同等の有効性と安全性を示す

 

学会レポートを紹介しているm3からの記事を載せておきます。

 

現行の基礎インスリン製剤は、安定した作用を発揮するために、毎日決まった時刻に投与する必要がある。し かしながら、患者は生活の中で色々な出来事や理由から、厳格な投与スケジュールを守る事が難しい事がしばしばある。そこでこれらの問題を解決するために、 超持効型のデグルデクを用いて、患者のライフスタイルに合わせて1日1回どの時間帯に投与しても、安定した血糖コントロールが得られるのではないかと考え られ、試験が実施された。

本研究は、世界14カ国において2型糖尿病患者687例を対象に実施された26週間のオープンラベル試験 である。対象はデグルデクを1日1回朝あるいは夜、交互に投与する群(デグルデクOD FLEX群229例)、デグルデクを1日1回同一時刻に投与する群(デグルデクOD群228例)、グラルギンを1日1回同一時刻に投与する群(グラルギン OD群230例)のいずれかにランダムに割り付けた。デグルデクOD FLEX群では投与間隔は8~40時間の幅に規定した。各インスリン製剤の投与量は、空腹時血糖値が70~89mg/dLになるように調整された。本演題 では、デグルデクOD FLEX群とグラルギンOD群の比較が報告された。

デグルデクOD FLEX群とグラルギンOD群のベースラインの患者背景に差は見られず、年齢56.2歳vs. 56.7歳、BMI値29.3kg/m2 vs. 30.0kg/m2、糖尿病罹病期間10.8年vs. 10.8年、HbA1c値8.5% vs. 8.4%、空腹時血糖値162mg/dL vs. 162mg/dLだった。前治療にも群間差はなく、経口血糖降下薬単独が58%、基礎インスリン製剤と経口血糖降下薬の併用が39%、基礎インスリン製剤単独が3%だった。

26週後のHbA1c値の低下量を比較すると、デグルデクOD FLEX群1.28%、グラルギンOD群1.26%、群間差(95%CI)は0.04%(-0.12~0.20)で、95%CIの上限値が試験実施前に定めた0.40%未満であったことから、デグルデクOD FLEX群のグラルギンOD群に対する非劣性が証明された。また、26週後の空腹時血糖値はデグルデクOD FLEX群の方が7.56mg/dL有意に低かった(p=0.04)。なお体重の変化量に群間差は認められなかった。

低血糖の患者・年あたりの発現件数は、重篤な低血糖は両群で0.02件、低血糖はデグルデクOD FLEX群3.6件、グラルギンOD群3.5件(相対リスク1.03)、夜間低血糖はそれぞれ0.6件、0.8件(相対リスク0.77)で、いずれも群間 差は認められなかった。

デグルデクを1日1回8~40時間の間隔で投与しても、グラルギンを1日1回同一時刻に投与した場合と同じHbA1cのコントロールが得られ、かつ空腹時血糖値は有意に低下した。また、夜間低血糖を含む低血糖の発現リスクは変わらなかった。この結果を踏まえ Atkin氏は、「2型糖尿病患者に対してデグルデクは1日1回どの時間帯に投与しても、安全に良好な血糖コントロールが得られる」と結論した。

また、この試験について共同演者のBirkeland氏にインタビューを行ったところ、「毎日異なった投与スケジュールを推奨しているのではなく、この試験は、患者が生活の中で何かの用事があったり、決められた時刻に投与時間を忘れてしまったりする事があっ ても、前回の投与からの間隔が8~40時間の間であれば問題なく投与できるという点で、今までのインスリン投与にあった問題点の1つを解決できるようにな る非常に意義深いものだ」とコメントしていた。

 

デグルデクの生産元であるノボ ノルディスクが公開している
デグルデクの各情報ページはこちらから。
http://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_11_11.asp

 

松波動物病院メディカルセンター
獣医学博士 松波登記臣

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