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Archive for the ‘感染症’ Category

最近、学術論文を読む時間をあまり確保できていません。
ですが気合で時間作って論文読み始めました。
って言っても、あまり業務に直接的に関係する論文ばかり読んでいても面白く無いし、
こうやってブログにupするわけなので、分野問わずで読んでみようかと。

 

一応獣医師です。(最初に言っておこうかと(^_^;))

 

Probable Zoonotic Leprosy in the Southern United States

米国南部のハンセン病、野生アルマジロが感染源

 

超有名雑誌NEJMからですが、タイトルから突拍子も無い感じですが、リアル学術論文です。

 

米国南部のハンセン病患者50人を対象に、らい菌M. lepraeの感染源を遺伝子型解析を用いて、解析したという論文。
つまり感染症の疫学論文ですね。

 

 

その結果ですが、野生アルマジロ28/33匹およびアルマジロ媒介菌に、
曝露し得る場所に住む患者25/39人から、他の地域では見られない
特異な遺伝子型(3I-2-v1)が検出されたそうです。

 

 

詳しい遺伝子型の話は僕の専門外ですが、特異的な遺伝子が見つかっちゃうと、
どうしても因果関係が心配です。またこの論文の著者らは、
同地域のハンセン病は、人獣共通感染症の可能性があると指摘している。

 

従来、アルマジロは、らい菌を保有してる動物。
らい菌を保有しているのは、このアルマジロと人間のみ。
なので、ハンセン病研究ではアルマジロが用いられている。
でもこの両者に、直接的な関係があるとは言われていませんでした。

 

ハンセン病の原因に、アルマジロによる人獣共通感染症説が浮上してくると、
獣医師の出番もあるのでは?と思った次第です。

 

続報が待ちきれない!!

 

松波動物病院メディカルセンター
獣医師・獣医学博士
松波登記臣(まつなみときお)

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公衆衛生(Pubulic Health)

集団の健康の分析に基づく地域全体の健康への脅威を扱う。
健康は多くの機関により、さまざまに定義されている。

疾病の実態調査の標準を設定・提供する国際連合の機関である世界保健機関は、
健康を「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、
たんに病気あるいは虚弱でないことではない」と定義している。

公衆衛生は多くの分野からなる。
しかし典型的な区分としては疫学、生物統計学、医療制度がある。
環境・社会・行動衛生、職業衛生も、重要な分野である。

世界保健機関は公衆衛生を
「組織された地域社会の努力を通して、疾病を予防し、生命を延長し、
身体的、精神的機能の増進をはかる科学であり技術である」と定義している。

臨床医学が個人水準で健康を扱うのに対して、公衆衛生は社会水準で健康を取り扱う。
例えば、生活習慣病対策伝染病(感染症)予防・公害対策・
上水道・下水道・食品衛生など社会保障の基礎となる分野について研究する。

以上、我々獣医師および獣医学生は、
公衆衛生学について十分な知識を備えていなければいけない。

感染症はもちろんではあるが、人および動物における生活に直結する病気においても同様にである。現場が違うから、畑が違うからでは、済まされない分野が、あるということを、意識し、取り組んでいけるという前向きな気持こそが、自分の限界を突破することが出来る、一番近い近道かもしれない。

松波動物病院メディカルセンター
獣医学博士 松波登記臣

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超一流雑誌に超一流の論文が載る。

これは当たり前ですが、有名なNature誌は、それだけではない。

超一流の論文が載るのは当たり前だが、Nature誌のすごいところは、

時代の潮流の先の先を行く、ワクワクするテーマの論文を載せる。

今日紹介したいのは、

Human contribution to more-intense precipitation extremes

直訳がしづらいので、簡単に内容を読んでみて、私なりに考えると、

気候変動と洪水の増加には関連性がある

です。

あの有名なナショナルジオグラフィックでもこの論文は紹介されていました。

Extreme Storms and Floods Concretely Linked to Climate Change?

この研究内容を、ざっくばらんに言うと、

背景

昨今の人間活動における温暖化と自然災害の関連性は長く指摘されてきた。

しかし、それらを観測に基づく科学データを提示する研究はいままでほとんどなかった。

わかったこと

北米やヨーロッパ、アジアなど北半球の広範な地域を対象に、

1951~1999年まで半世紀にわたる雨量データを集計した結果・・・

1. 北半球で広域の雨量を調べたところ、24時間降水量の最大値が毎年増加していること

2. 上昇し続けた温室効果ガスの濃度と深刻な水害の増加に相関性があること

今後の展望

1. ある地域に大洪水が起きる一方で、別の地域が干ばつに見舞われるなど、

気候の“二極化”が進行する可能性がある

2. 湿潤地域で洪水、乾燥地域で干ばつが一層深刻になる可能性がある

昨年〜今年にかけて洪水被害に見舞われた国がある。

それは、オーストラリアとブラジル。共に南半球の国。

オーストラリアはつい最近まで干ばつ被害が出ていたけれど、

一転、長期的な記録的豪雨などによって、洪水被害が発生した(今後の展望1の例)。

こちらはブラジル。基本雨量にも恵まれている国だが、記録的集中豪雨により、

土砂崩れや洪水被害が発生した(今後の展望2の例)。

オーストラリアとブラジルの激し過ぎる降水量は、ほぼ同時期であったし、

地域も、その環境設定も違う国で、同じような洪水被害・・・恐い。

最後にその研究者は・・・

「自分の住む町について考えてみる。

排水管や給水システムは“100年に1度”をベースに設計されている。

システムの規模が変わらず、温室効果ガスの濃度が今後も上昇するのであれば、

大災害に遭う確率は2倍になるかもしれない」。と言っている。

また、この論文は、世界水資源方針計画から非常に高い評価を受けている。

なぜならば、冒頭にも触れたが、観測に基づく科学データが無かったからだ。

気候変動などの研究者にとっては、今後かなりの援護射撃になる。

さらに、この科学的データは、多くの国の多くの研究者らに指示されることで、

その国の、この分野における政策にも取り込まれることとなる。多分。。。

では、

この研究は、時代に合っているか・・・?・・・合っているだろう

そして必要されているか・・・?・・・必要とされているだろう

品質も良い、容量も良い、さらにはテーマも良い。

極めつけに、ワクワクする・・・Natureに載りますよ、それは。

先日、日経BPに掲載された私、松波登記臣の記事、

「アジアで蔓延する鳥インフルエンザ、生物多様性の減少も影響」

でも触れたが、生物多様性と感染症の関係性は強く、

海外の研究者らは、数年前から着手してきている(特にコレは素晴らしい)。

しかし、日本ではあまり進んでいない。進んでいなければ、対策も何も出来ない。

『科学と生物多様性』の分野において、遅れをとっている日本・・・不安です。

昨年から続く、日本の家畜を襲う口蹄疫や鳥インフルエンザなどの感染症において、

原因究明がいそがれるなか、科学的データを出す研究者が現れるとすれば、

その人は僕にとって、スーパーヒーローであることに間違いないと思われます(笑)!

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日経BP社のECO JAPANにて、執筆しました

 

アジアで蔓延する鳥インフルエンザ、生物多様性の減少も影響

 

が掲載されました。

お時間ありましたら、是非ご覧になって頂きたいと思っております。

宜しくお願い申し上げます。

 

また、この記事の掲載につきましては、多くの方々のご教授およびご協力して頂きました。

親愛なる獣医師のみなさま、獣医学生のみなさま、CBD市民ネットワークのみなさま、

日経BP ECO JAPAN編集長および担当者さま、

そして最後に松波動物病院のスタッフのみなさま、誠に有難うございました。

 

一刻も早く、鳥インフルエンザの発生がおさまり、農家さんが安心して、

お仕事ができるようになることを、心よりお祈り致しております。

 

みなさま、鶏肉・鶏卵は、安全です。

食の安全を守る獣医師が保証致します。

 

関連記事

鳥インフルエンザ(正しい知識と適切な対応を)

「蚊」と「部族」

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昨日英国BBCのニュースで報じられていたのが、

 

New mosquito type raises concern

 

西アフリカで新しい蚊が見つかったそうです。

何が懸念されているかというと、マラリアですね。

アフリカ・サハラ砂漠以南では年間2億人の人が感染し、

数十万人の人が亡くなっている病気です。

マラリアはハマダラカという蚊が寄生虫を媒介し、人に感染させます。

 

その新種がマラリアを媒介するかは、研究段階なので不明とのこと。

ですがハマダラカの亜種(仲間)ということなので、可能性は大とのこと。

この生き物、どこで見つかったというと、人が足を踏み入れたことがない未開拓地。

でももうそこは未開拓地ではなくなりました。

今後、人の手によって開拓されるかもしれない。

都市開発??・・・わかりません。

もしそうなるとすれば、この新種の脅威に、人が晒されるかもしれません。

パスツール研究所とリバプール大学で、継続して研究されるそうですので、

今後の研究結果には注目していきたいと思います。

 

ん?この写真は??

 

アマゾンの「未知の部族」の真相が判明

 

2008年5月に写真が世界に公開されたアマゾンの「外部との接触を持たない部族」。

多くのニュース記事の推測に反して、この孤立した部族は実際には数十年の間、

遠くから観察されていたことがブラジル政府の証言で明らかになった、とのことでした。

ブラジル政府は、この部族がいる地域を保護地区としていしています。

適度な距離を保ちながら保護目的の慎重な観察を続けており、

開発業者が土地を侵害しないように毎日パトロールを実施しているそうです。

素晴らしい活動だと思います、ブラジル政府。

 

ブラジル政府は、今や、環境保護推進国の一つになりました。

ブラジルにはジャングルといわれる熱帯雨林を大量に保有しています。

 

生態系と生物多様性の経済学(TEEB)

The Economics of Ecosystems and Biodiversity


という学問があります。

その際に、価値となるのは、その国が保有している生物資源

生物資源が、その国の、経済価値となるわけです。

なのでブラジルは、TEEBで換算すると、世界一となるわけです。

 

近い将来、どの国も、そしてその国の企業は、

生物資源の確保が、経営課題になると言われています。

そうなると生物資源を大量に誇る国は、潤う可能性があります。

そのほとんどは途上国ですが、ブラジルはG20にも入る経済発展国の一つ。

一気に世界のトップを虎視眈々と狙っているのかもしれません。

 

上記記事が、直接的に、経済発展に繋がる保護活動かどうかはわかりませんが、

ブラジル政府はGoogleと協力して、衛星を駆使し、違法伐採を取り締まろうとしています。

それも生物資源を守る為にです。多くの先進国にも、見習って欲しいところです。

 

今回の記事で紹介した、新しい「蚊」と「部族」

それらは、生きものたちです。

生きものたちからの脅威、生きものたちからの恵み。

この関係は、昔から続いています。

しかし、今は、

 

生きものたちからの脅威 > 生きものたちからの恵み


の関係でしょう。

この先も、このようなニュースを見る機会が増えるかと思いますが、

良いニュースが増えること、切に願っています。

宣伝ですが、Facebookページで、

生きものたちのことを考えよう」を公開中です。

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