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Archive for 2012年2月

今月の始め、「カンブリア宮殿」で、医療法人 徳真会グループ理事長 松村 博史(まつむら・ひろし)氏が出演されていました。

 

2012年2月9日放送~本当に患者が喜ぶ歯科医院とは~国内最大級の歯科医療グループを追う!

 

以前、松村氏の著書「日本でいちばん大きな歯医者の秘密」を読んだときと同じ感覚になってしまい、つまり生意気ながら同人類と再び出逢えた喜びに浸ってしまいました。松村氏は歯科医師業界の異端児?改革児?と評されていますが、松村氏が話内容一つ一つは患者さんが求めているモノそのもの。経営力は医療力に比例するが、医療力は経営力に比例しないことを上手く仰っておられました。「高い経営力無くして、高品質な医療は無い」。ごもっとも。さらには、教育者人格者としても、素晴らしい言葉も残されております。「歯科医師としての価値だけではなく、人間としての価値を高めてあげたい」。ごもっとも。

 

我々が営みを行っている動物病院業界にも当てはまるところは多く、ユーザーである飼い主様らに支えられながらの持続的可能な経営力は医療力をボトムアップして頂けていることは言うまでもない。また松村氏は、歯科医院業界に対しても、勤務医や一般スタッフへの労働条件や環境整備が整っていないところには、経営力そのものは存在しない、とまで言っていた。医療系専門職を取り巻く労働環境においては、我々動物病院業界も同様、いやそれ以上の負の遺産を背負っていることには違いない。松村氏がいう、「経営力そのものは存在しない」の意味・・・それは医療施設のトップ、つまり経営者に向けられていることに違いない。松村氏が語る一言一言は、医療系専門職に従事する人間としても、教育的立場および権限者の当事者としても、どちらも尊敬に値する言葉ばかりだった。そして番組の最後に、村上龍がこう残している。

 

松村さん率いる「徳真会」の『ビジネスモデル』には、医療全体のヒントが含まれている。命を救う医療を「ビジネス」と呼ぶのは、わたしにも抵抗がある。だが、非効率な病院経営と、勤務医や研修医の過酷な労働環境が、ヒューマニズムという美しい言葉に隠蔽されているのも事実である。「徳真会」のように医療と経営を合理的に分離し、コメディカルを増やす、それだけでも医療は崩壊から遠のく。松村さんは、利益ではなく、患者のために、合理性を追求した。その合理性には、「学び続ける」という大切な要素も含まれている。

 

この番組内や著書でも紹介されている松村氏の名言?で最後は締め括りたいと思います。

 

「専門家には患者さんや社会を育てていかなければいけない使命がある」
「強い経営力は高品質な医療行為を持続可能にする」
「歯科医師免許の可能性を無限大にする」
「とにかく新しい井戸を掘り続けること」

 

松波動物病院メディカルセンター
獣医師・獣医学博士 松波登記臣

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「わかりやすいカタチ」

 松波登記臣名古屋市獣医師会松波動物病院メディカルセンター

 

私がアフリカ・ウガンダ共和国で仕事をしていたころ、日本では「ウガンダで新型エボラウイルスが発見された。」という報道がされており、私はそれを帰国してから知ったという、そんな情報音痴の自分が、人類発祥の地で駆けずり回っていたのは記憶に新しい。それからは言うもの、私は自分を啓発したかのように、常に新しい情報を、現場に赴き直接仕入れ、それを「わかりやすいカタチ」にすることにこだわり始めた。

 

帰国後、大学院で研究に没頭した。獣医学研究にいるにもかかわらず、研究内容は『医学系』な基礎研究。近年ペットの世界でもにわかに注目を集め始めている「メタボリックシンドローム」が私の研究テーマ。実際のところは、そんなに華々しい内容ではなく、メタボリックシンドローム関連疾患である糖尿病や脂肪性肝炎などの疾患モデル動物を作製するというものだ。

 

実に研究はおもしろい。実に研究は単純だ。それは、研究は「情報が命」という世界でもあり、ライバルが多い内容では、毎日スピード勝負。そんななか、獣医師でもある自分が“医学系”の世界に足を踏み入れてしまった、というのが当時の印象だった。その思いは現実となる。研究の失敗の連続、論文が通らない日々、学会では支離滅裂な質疑応答を繰り返す醜態を披露し、そして新しい疾患モデル動物を世に送り出せないもどかしさ、正直退屈な日々を過ごしていた。しかし、そんな私でも、「情報収集」だけは怠らなかった。気がつくと、自分の研究分野以外の文献も読み漁っていた。そんななか、とあることに気がつく。「これだ」。今流行っている研究分野を徹底的に調べ、さらには、いつ世の中に出てきたのかも同時に調べる。その結果、今流行っている研究の理由が明確に分かってくるのだった。それは、テーマだったり、目的だったり、材料および方法だったり、…そして「わかりやすさ」だったり、した。

 

それらを意識し、再び研究に勤しんだ。それからというものも面白いように研究結果が出たり、執筆する論文が受理されたり、また博士課程を修了するまでに6報も執筆することが出来たのだ。また、獣医系はもちろんのこと、医学系学会にもお声を掛けて頂くなど、多くの学会に参加することが出来、また大変名誉ある賞も頂くことが出来たのだ。研究生活を通じ、常に意識しなければいけないことは大変多い。だがその中でも強く意識していたのは「わかりやすさ」だった。その、「わかりやすさ」を追求した結果、論文や学会発表、そして数々の賞という『カタチ』として、世に出回り、発信され、多くの方に知ってもらえたことは、心から嬉しかった。

 

現在、名古屋にある松波動物病院メディカルセンターにて勤務医をしている。「研究をしていた、それも基礎研究をしていた獣医師が臨床をしているのか?」と研究時代の仲間たちはよく口にする。それに対し私は「臨床はおもしろいですよ。もしかしたら『わかりやすさ』が一番求められる世界なのかもしれません。」と、繰り返しお答えしている。

 

アフリカ、そして研究で経験し、そこから養うことが出来た様々な知識、そして能力は、こんな分野でも発揮される。「生物多様性」の普及啓発。研究に没頭しながらも、非営利な活動にも力を注いだ。きっかけは単純だった。「多種多様な生きものたちを守るのは、獣医師としての使命」なのでは?と、この言葉を知ったときから抱いていたのだ。旧・生物多様性条約市民ネットワーク(現・CEPA JAPAN)というNGOに所属し、私はその組織の中にある普及啓発作業部会というワーキンググループに配属されることとなった。そこは、「有志」の集まりだった。その作業部会には、政府機関、民間企業、自治体およびNPOなど、その業界業種のなかで、第一線で活躍している方々が集まっていたのだ。皆の目的は一つだった。「『生物多様性』という言葉を普及啓発したい」。そのワーキンググループで活動していくなか、私は、とあることに再び気がつく。それは「わかりやすさ」だった。そこでは、広報・PRの専門家たちが、定性的に多く集まったモノ(情報)や想いなどを、「わかりやすい」カタチにして、それぞれのフィールドで発信していたのだ。それら活動と成果が認められ、我々は生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に正式に参加することが出来たのだ。

 

私はいつも思う。「わかりやすさ」は『カタチ』になる。それが、上記活動を経験したことで、私自身が養ったノウハウでもある。

 

現在、私は、獣医師の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフバランス)」、つまり“働き方”を含む労働環境および条件に問題意識を持っており、少しずつではあるが活動をし始めている。それがいつ「カタチ」となって世の中に発信され、影響を与えるものになるかは、私自身も分かってはいない。だが、この活動に対しても、今まで以上に、「わかりやすさ」を追求していくつもりだ。もう一度、強く言いたい。「想い」だけではカタチにはならない。実際に行動し、情報を収集し、それら正しい知識を用いて、「わかりやすく」、そして、『カタチ』にしていかなければ、モノ(情報)も想いも、決して多くの人や組織に対し、“共感”を生むことはなく、人の心にも届かないものになってしまうのだ。

 

松波登記臣松波動物病院メディカルセンター

〒467-0027 名古屋市瑞穂区田辺通5-2-11

Tel 052-833-1111 Fax 052-833-1112

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